4ヵ国語を話すマルチリンガル「クロエ先生」から英語学習に関して教えてもらいます。
今回はネイティブ英語をスイスイ聞き取れるようになる英語のリスニング勉強法について教えてもらいました。
この勉強法は「クロエ先生」が英語・中国語・日本語と3か国語を習得する中で確立した誰がやっても効果の出る英語のリスニング勉強法です。
実践すれば、どなたでも効果が出る勉強法です。是非、試してみて下さい。
効果的な英語学習の手順
まず最初に効果的な英語学習の手順についてご説明しておきます。
私が英語・中国語・日本語と3言語をかなり高いレベルで習得した経験から言えるのは言語学習では「リスニング」→「リーディング」→「ライティング」→「スピーキング」の順で学習していくのが効果的だと考えています。
英語の場合だと、更にその前提として「フォニックス」で英語の「スペリング(つづり)」と「発音」の間にある法則を学ぶことで、英語の正しい読み方を習得しておくことが効率的だと思います。
フォニックスはKANA先生に詳しく解説してもらったことがあるよね
英語が聞き取れない原因
効果的な英語のリスニング勉強法をお伝えする前に、まずは英語が聞き取れない主な原因をご紹介します。
英語が聞き取れない原因は1つではありませんし、しかし英語が聞き取れない原因を見つけ出し、原因に合った学習をすることで効率的に英語のリスニング力を向上させることが出来ます。
英語が聞き取れない主な原因
- 知らない単語が多過ぎる(ボキャブラリー不足)
- 単語の発音を知らない
- 発音の変化を知らない(リエゾン/リンキング/リダクション)
- 日本語にない音を聞き取れない
リスニング学習のステップ
- 聞き取れない原因を把握する
- 原因に応じた学習をする
- ディクテーション、シャドーイングをおこなう
英語が聞き取れない原因別リスニング勉強法
では早速、リスニング力をアップさせるのに有効な勉強法の解説をはじめます。
先程、挙げた「英語が聞き取れない主な原因」ごとに効果的な勉強法を紹介します。
知らない単語が多過ぎる(ボキャブラリー不足)
自分のレベルに合った文章を選ぶ
リスニングの学習では、自分のレベルに合った文章を聞くことが重要です。
リスニングに慣れてくれば多少知らない単語などがあっても前後の内容から推測できるようになります。ただ対象の文章に知らない単語が多過ぎると推測もできないので学習効果が下がってしまいます。
単語や熟語などの学習をする
資格試験などの対策でリスニング学習をしている場合で、対象の文章に知らない単語が多過ぎる場合はリスニング学習をすすめる前に、まずは対象の試験に必要な単語や熟語を覚えることが先になります。
この単語や熟語を覚える時にも音声を聞いて発音を確認しながら覚えることが効率的です。
単語の発音を知らない
単語や熟語は覚えて知っていても、単語の発音を知らなければ聞き取ることは出来ません。
単語や熟語を覚える時に音声を聞いて発音を確認しながら覚えることが効率的だと先に書きましたが、1つ1つ音声を聞くのは手間がかかります。
そんな時に、便利なのが発音記号やフォニックスの知識です。
例えば英検3級レベルの基礎的な単語に「worry」(心配する)も「出る順パス単」でカタカナで「ワーリィー」と発音が書かれています。しかし実際の発音は日本語だと「ワ」と「ウォ」の間ぐらいの音からはじまります。
ちなみに「出る順パス単」にも発音記号は掲載されており「worry」の発音記号は「wəːri」で正確な発音を知ることが出来ます。
一度覚えてしまえば学習効率が格段に高まります。
発音記号やフォニックスはKANA先生に詳しく解説してもらったことがあるよね
発音の変化を知らない(リンキング/リダクション/フラッピング)
一般的に「英語のリエゾン」と言われる場合の「リエゾン」は、だいたい「文章中で特定の単語の末尾の音と直後の単語の先頭の音が連結して違う発音になる」ことです。これを英語では一般的に linking(リンキング)と呼ばれます。
発音やリスニング力、スピーキング力を効率良く鍛えるには、リンキングをはじめリダクション、フラッピングなど音変化を理解することが欠かせません。
特に「文章なら読めるのに、聞き取りができない」場合はリンキングをはじめとした音変化を学ぶことで飛躍的にリスニング力を伸ばすことができます。
正しい音のルールをある程度覚えたら、後はネイティブの音声を聞きまくるのが一番の学習法です。私の経験では、自分が「好きなこと」「興味があること」に関する音声を聞くのが良いと思います。
例えば歌は歌詞カードを見れば、何を言っているのかはわかるので「リンキング」「リダクション」などを体感するのに適していると思います。
リンキング
「子音」+「母音」で音がつながる場合
前方の語の語末と続く語の先頭が「子音・母音」という並びになる場合に子音と母音が連結されます。
例えば「put on」はカタカナで表現しようとすればputは「プットゥ」onは「アン」的な発音になりますが、子音と母音が連結されて「プトン」的な発音になります。
パターン | 例 | 発音記号 |
t+母音 | put on | pútən |
d+母音 | hand in | hǽndin |
k+母音 | pick up | píkʌp |
l+母音 | tell us | télʌ́s |
n+母音 | can I | kænái |
r+母音 | far away | fάɚəˈweɪ |
子音と子音がつながって変化するパターン
最も有名なリンキングは「thank you」かもしれませんね。
「thank you」はカタカナで表現しようとすればthankは「センク」youは「ユー」的な発音になりますが、連結されて「センキュー」的な発音になります。
「thank you」は多くの日本人が「センキュー」的な発音を「thank you」と認識できるのではないでしょうか?
パターン | 例 | 発音記号 |
k+y | thank you | θˈæŋkjʊ |
t+y | want you | wάntjʊ |
d+y | would you | wˈʊdjʊ |
p+y | keep you | kíːpjʊ |
ch+y | teach you | tíːtʃjʊ |
sh+y | furnish you | fˈɚːnɪʃjʊ |
f+y | if you | ɪfjʊ |
l+l | beautiful lady | bjúːṭɪf(ə)léɪdi |
リダクション
リダクション(reduction)とは、英語のスペルにあって本来発音されるべき音が「脱落」する、または「弱化」する現象のことです。
例えば「I did it.」をカタカナで表現しようとすればIは「アイ」didは「ディドゥ」itは「イットゥ」ですが「アイディディッ」と「t」の音が「脱落」または「弱化」します。
脱落音 | 例 | 発音記号 |
t | I did it. | ái dídí(t) |
g | I’ll go walking. | áil góu wɔ́ːkiŋ |
d | good job | gu(d) ʤɑ(:)b |
h | I like him. | άɪlάɪk(h)ɪm |
重複する同じ音・似た音 | set top | sétάp |
take care | téɪkéɚ |
フラッピング
フラッピング(flapping)とは、語中の “t” が、[r] や [d] のように発音される現象を指します。
フラッピングされるフレーズには下記の2つの条件があります。この2つを満たすと”t” の音が濁って [d] のように発音されます。
- 「t」 が母音に挟まれている
- 「t」の直前にアクセントが置かれる
例 | 発音記号 |
water | w’ɔːdɚ |
later | ‘leidɚ |
get it | ‘geddə |
日本語にない音を聞き取れない
英語には「TH」の音のように日本語に存在しない音や、日本人には同じに聞こえる「R」と「L」のような音があります。
英語が聞き取れない原因別リスニング勉強法(まとめ)
ここまで英語が聞き取れない原因と対策をご説明してきました。
【まとめ】
- 自分のレベルに合った文章を選ぶ
- その文章を聞くための最低限の単語や文法ルールは覚える
- 各単語の発音や音声変化のルールを覚える
と言ったところでしょうか。
あとは、ひたすら英語の音声を聞きましょう!
リスニング力を効率的にアップさせる具体的な勉強法
リスニング力を効率的にアップさせるには、とにかく英語の音声を聞くことです。
私の場合は、覚えたい言語の音声を1日7-8時間毎日聞いていました。継続するためにも、自分が「好きなこと」「興味があること」に関する音声を聞くのが良いと思います。
ちなみに効率的にリスニング力を上げたいなら「ディクテーション」で文章をしっかり聞いて理解して「シャドーイング」するのが効果的だと思います。
ディクテーション
「ディクテーション(Dictation)」とは、聞いた英語を一語一句書き取るトレーニングのことです。当然のことながら1回ですべてを書き取ることはできないため、同じ音声を何度か聞くことになります。
ディクテーションでは、何を言っているのか確認できなければ意味がないので、必ず英語テキストがある音声を使ってください。
ディクテーションのやり方
- 文章全体の音声を聞いて、おおまかな内容を把握する
- 一文ずつ音声を止めて書き出します。聞き取れない部分は、聞こえたとおりに片仮名で書いておきます。
- 最後まで書き出したら英語テキストを確認します。
- 聞き取れなかった部分に集中しながら、音声を聞きます。
- 繰り返し何度も聞き直してください。
シャドーイング
ディクテーションした音声は、シャドーイングの練習に使ってください。
シャドーイングとは、耳で聞いた英語音声を少し遅れて声に出して言う練習法のことです。
シャドーイングで大切にしたいのが耳で聞こえたとおりに「発音」「イントネーション」「アクセント」「リズム」などを完璧に真似することです。
おすすめの教材
英検
英検はレベル別に使用されている単語や文法事項の難易度なども定義されているので、レベルに合った学習をするのに合っています。
「文で覚える単熟語シリーズ」は文脈のなかで英単語を覚えられることも出来るのでオススメです。
ビジネス
TOEIC
公式TOEIC Listening & Reading プラクティス リスニング編
まとめ
リスニング力は正しい方法で量をこなせば必ず上達します。
しかも言語学習において最初に取り組むべきはリスニング学習だと思います。
リスニングで「聞く量を増やす」→「ボキャブラリが増える」からリーディング→ライティング→スピーキングと学習していくのが効果が高いと思います。
「リーディング」「ライティング」「スピーキング」の学習方法に関しては別の記事で詳しくご紹介します。
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